2013年5月12日日曜日

パキスタンの行方

「PTIに投票する人、手をあげて!」

興奮した様子で食事中に声をあげたのは、パキスタンKP州に住んでいるマダム。中高年のパキスタン人男女6人と一緒に夕食を食べていたときのことだ。6人中5人がすぐに手をあげた。手をあげなかったけれど、残りの1人もPTIを支持していると言う。「もうこの国の政治にはうんざり。Changeが欲しいの!!」とマダムは続ける。


PTIとは、パキスタン正義行動党(Pakistan Tehrik-e-Insaf:PTI)という政党のことで、元クリケットのスター選手であったイムラン・カーンにより1996年に設立された。なぜ彼がそこまで人気なのか。私が着任してからだから今年の秋か冬に、米のワジリスタン(FATA)での無人機攻撃に対する抗議デモを行い、ラホールにガン医療病院を設立、病院への寄付金は何に使われたかすべてホームページで確認することができるそうだ。彼はクリーンな政治を、汚職のないパキスタンを、と呼びかけている。


実施機関との会議の帰り道、車内でパキスタン人のナショナルスタッフに、「選挙キャンペーンが盛り上がって来てるね〜」と言うと、「私はPTIに入れるわ!」と(私は聞いてなかったのだけど)。新しい政府何を期待する?と聞くと、「物価もどんどん高くなるし、教育を受けても仕事を見つけられない若者がたくさんいる。」と続けた。経済の安定と雇用機会の拡大を期待しているのだと言う。

5月11日(土)、今日が選挙投票日。

民主選挙によって選ばれた政権が任期を全うし、民主選挙によって新たな政権を選ぶのは、建国後66年の歴史の中で初めてのことになる。建国以来3度の軍事クーデターを経験したパキスタンは、民政と軍政が交互に続いていた。

パキスタン人の友人たちは、Facebookで投票所で3時間列び投票を済ませて来た!と報告、支持する政党の旗を首に巻き、家族と取った写真をアップ。その他のパキスタン人も、応援する政党のリンクを連日Facebookでシェアする熱狂ぶりだ。

対米関係、対印関係、アフガンとの国境地域の安定、電力不足、治安や電力不足は経済の停滞にも影響する。既に開票作業に入っていて、明日にはだいたいの結果が分かると言う。これからのパキスタンの行く先は如何に。