2012年12月26日水曜日

keep on growing

"I am really exciting because I don't know what will happen to me after this!!!"と満面の笑みで話をしをしてくれたのは、この3ヶ月間一緒に仕事をしてきた国際機関の友人です。2年間の任期を終えNYに帰ることになり、先週farewell lunchをしました。12年間ポリオに関わってきた彼は、"I reached my satisfaction in polio"と言い、今は新たな関心分野があるので、次どのような仕事をしようか考えているのだそうです。"I want to keep on growing"と続けます。

恐らく彼は50歳後半。その年になってもなお、新たなチャンスにワクワクし、新たな関心分野を追求し、成長し続けることを楽しんでいるなんて、素敵だなぁと思いました。そして、保健セクターの中の更にポリオの分野で、12年間のキャリアを積んで初めて「満足するレベルに達した」という彼の言葉を聞き、私はまだまだこれからだな、と痛感。


今まで、電力、上下水、教育、廃棄物、地方開発などなど、色々なプロジェクトを担当してきたけれど、他の援助機関の人たちとの関わりはそんなに多くありませでした。東京ベースの仕事だったからかもしれないけど。ここにきて、保健セクターを担当することになり、国際機関のパートナーたちと日々連絡を取り合いながら、一緒にどんな取り組みをしていったら良いか考えるのは、私にとって新たな仕事のスタイルで、とても楽しんでいます。

今までの仕事、関心分野、パキスタンへの支援をどのようにしていったら良いかなどなど、話は収まることなく続き、本当に楽しいひとときでした。このような出会いに恵まれたことに感謝。いつか彼とまた仕事が出来たらいいな。



外国人が多いからか、イスラマバードもクリスマスモード。
ホテルやレストランにも綺麗なツリーが。








2012年12月22日土曜日

カラーシャ族からの贈り物

パキスタンでタンゴを習い始めて2ヶ月ほどが経ちました。
あまり上達している感はないけれど(笑)、楽しくレッスンを続けています。
レッスンの後、先生や他の生徒さんと一緒に、カフェでカプチーノを飲みながら、色々な話をするのが日課です。

今日はカラーシャ族の住む谷に旅行に行ってきた先生の話で盛り上がりました。

カラーシャ族とは、ハイバル・パフトゥンハ州(KP州)のチトラル県にある3つの谷に住む、非イスラム教の少数民族のことを言うそうです。昔から独自の信仰と伝統文化を持っていた人たちを、他のイスラム教徒はカフィール(異教徒)と呼んでいました。パキスタンとの国境に近いアフガニスタン側にも同様の人たちが住んでいましたが、19世紀末にアフガン王にイスラム教への改宗を迫られ、チトラル王国に統括されていた人々のみが強制改宗を免れたそうです。

彼らは、アレキサンダー大王の元でやってきたギリシャ人兵士の末裔という話があったり、紀元前1500年頃にロシア南部からアフガニスタンに移動し、定住するようになったアーリア人の末裔という話があったりします。

12月上旬から20日前後まで続く新年を祝うお祭りに参加してきた先生から、カラーシャ族の女性たちが編んだ素敵な紐をいただき、今日はそれを首にかけながらみんなでレッスンをしました。

行ってみたいなー。私がパキスタンに居る間に治安も良くなり、KP州にも、チトラルにも行けるようになれば良いのにな。


カラーシャ族の女性たちが編んだ紐。編むのに1本5日程度かかるそうです。

カラフルでとてもきれいに編まれています。
先生は歓迎の印に、首に何十本もこの紐をかけてもらったとか。



2012年12月16日日曜日

カラチ

先週出張でカラチを訪れました。
2年振りのカラチ。以前はカウンターパート機関とホテルの往復だったのですが、今回は車で市内・郊外を色々見ることができました。

この仕事をしていて良かったと思う瞬間はたくさんあるのですが、真剣に国や地域の発展のことを考え仕事をしている実施機関の人たちとディスカッションをしたり、アイディアを出し合ったりしながら仕事をしている時、心から楽しいと思うことがあります。

電力案件を担当していた時、電力公社のトップと幹部たちが、この国の電力需要にどう対応していくべきか今後の投資計画について真剣に議論していた時。水道局の職員が、安全な水を24時間提供するために財政基盤をどう強化していったら良いか話している時。今後の保健セクターの政策を考えるTechnical Conferenceに休日も返上で参加し議論している政府関係者たち(私が出会う現地の人たちは、組織の中の偉い人ほど、遅くまで、たくさん働いているかも)。

こういう瞬間に立ち会ったとき、自分は開発援助の主体にはなり得ないなと思うと同時に、そのサポートを出来ることに喜びも感じ、また自分ももっともっとスキルアップしていかないと、といつも思います。

カラチ市郊外の様子。マーケット。
イスラマバードの景色とはほど遠いけれど、
他の地域の風景もこんな感じなのだと思います。


カラチ市内

土曜日、カラチのNGOで働いていた同僚が
おしゃれなカフェに連れて行ってくれました。



パキスタンの冬

昨日、一昨日とずっと雨が続いていたイスラマ。
9月末に赴任してきて、こんなに雨が降ったのは初めてだった。
この季節の雨は珍しいらしい。

イスラマの冬は寒い寒いと聞いていたけれど、朝と夜が特に寒い。
外は今(夜の1時)8°ぐらい。東京と同じぐらいかな。

赴任してきた頃は暑さも和らぎ始めた季節だったので、今までとても快適に過ごしてきたけれど、ここにきてみんな暖房を使うようになったからか、計画停電(1回1時間)の回数が増えたり、ガス不足でガスストーブをつけられなかったり、シャワーのお湯もぬるくなったり、水圧が弱くシャワーのお湯の量も少なくなったり。改めてインフラの大切さを実感。

職場のパキスタン人の同僚に愚痴をこぼすと、みんなも「ここ数日お湯が出ない」「私の家はガスは来るけど、水が出ない」などなど(みんなどうやって生活しているのだろう)。

そう言えば、前任に物件探しの条件を聞いた時、「ガソリンスタンドの近くだと、冬にガスが来ないことがあるかも。」と言っていたなぁ。。

家の屋上から見える夕日

輸入品がたくさん売っているお店。日本製品
(醤油、酢、カップラーメン、おせんべい、片栗粉、ゼラチン、うどん等々)も売ってます。




2012年11月27日火曜日

for the women, by the women

面白い記事を発見。いつか彼女お店が開店したら、ラホールに行って寄ってみたいなー。

                   +++

パキスタン人のSonia Bokhariさん26歳が、ラホールのショッピングセンターに女性のための女性によるレストランを開店する。ILO(International Labor Organization)Islamabad Officeが始めたビジネストレーニング&ビジネスプランコンベで彼女が優勝。「hospitalityの分野、サービス分野で、女性は男性よりも活躍できる」(Sonia Bokhariさん)。

*ILO Islamabad Office のHP*
http://www.ilo.org/islamabad/whatwedo/eventsandmeetings/WCMS_191934/lang--en/index.htm

*The Nationの記事*
http://www.ilo.org/islamabad/whatwedo/eventsandmeetings/WCMS_191934/lang--en/index.htm



2012年11月15日木曜日

This is your life

ある日仲良しの会社の先輩から、「これ、すげぇ熱い!!!」とメールが来ました。なになにーと思ってURLを開いてみると、次のような文章が書いてありました。


                  ***


これはあなたの人生です。 
自分が好きなことをやりなさい。 そして、たくさんやりなさい。 
何か気に入らないことがあれば、それを変えなさい。
今の仕事が気に入らなければ、やめなさい。 
時間が足りないのなら、テレビを見るのをやめなさい。
人生をかけて愛する人を探しているのなら、それもやめなさい。
その人は、あなたが自分の好きなことを始めたときにあらわれます。
考えすぎるのをやめなさい。人生はシンプルです。 
すべての感情は美しい。
食事を、ひと口ひと口を味わいなさい。 
新しい事や人々との出会いに、心を、腕を、そしてハートを開きなさい。 
私たちは、それぞれの違いで結びついているのです。 
自分のまわりの人々に、何に情熱を傾けているかを聞きなさい。
 そして、その人たちにあなた自身の夢も語りなさい。 
たくさん旅をしなさい。 道に迷うことで、新しい自分を発見するでしょう。
 ときにチャンスは一度だけしか訪れません。 
しっかりつかみなさい。 
人生とは、あなたが出会う人々であり、その人たちとあなたが作り出すもの。 
だから、待っていないで何か作ることをはじめなさい。 
人生は短い。
 情熱を身にまとい、自分の夢を生きよう。 



                  ***

プライベートも仕事も上手く行かず落ち込んでいた時にこの文章を読み、仕事中だったけれど、とてもとても胸の中が熱くなったのを覚えています。「好きなことをしなさい」。就職活動中にいつもいつも言われていた言葉。「何か気に入らないことがあれば、それを変えなさい」。自分の置かれている状況や周囲の人や組織の愚痴を言う人はたくさんいるし簡単だけれど、輝きながら新たな変化を作る人はめったに愚痴を言わない。今自分の周りで起きていることは、自分が発した言葉や選び続けてきた行動の結果であって、人は環境に影響されるのではなく、環境の変化を生み出せる存在だからなのかな。「ときにチャンスは一度しか訪れません」「待っていないで何か作ることをはじめなさい」「情熱を身にまとい、自分の夢を生きよう」・・・負のスパイラルの中にいた私に、そこから抜け出すきっかけをくれました。以来、この言葉を家に飾り、何かを頑張ろうとしている友人にプレゼントしています。

この文章は、ニューヨークにあるHOLSTEEという会社のマニュフェストです。3人の若者が会社を辞めて、2009年夏に作った会社。彼らは、会社や商品を作るというよりは、新しいライフスタイルを作りたかったそうです。かっこいい。インドのNGOとコラボレーションして、インドで捨てられているプラスティックバックを再利用して作ったお財布など環境に優しい商品をデザインし作っていたり、売り上げの10%をKivaを通じて途上国の小規模企業家に融資したりしています。HPはとてもおしゃれなデザイン!商品も可愛い。My Lifeのページも好きだなぁ。HOLSTEEのマニュフェストと出会ったたくさんの人たちのshort storiesが紹介されています。

いつかニューヨークに行って、HOLSTEEを始めた人たちに会ってみたい!!!



2012年10月31日水曜日

EID-UL-AZHA(犠牲祭)

28日(土)は犠牲祭の日(EID-UL-AZHA)。27日(金)と30日(月)は国全体が祝日となり、先週末は友人の実家に遊びに行ってきました。EIDの前週ぐらいから、市内で牛やヤギを良く見かけるようになりました。イスラマバードの空港に向かう途中でも、トラックに乗せられた牛を発見。



パキスタン人の友人が犠牲祭の意味について教えてくれました。

やっと子どもを授かった予言者イブラーヒームは、ある日神から息子を犠牲として神に捧げるよう命じられました。苦悩の末、神の仰せの通り犠牲として捧げようとした瞬間、神はイブラーヒームの息子を子羊と差し替えました。息子を犠牲にしなさいという命令は、イブラーヒームの忠誠心を確認するためだったということです。現在になっても、この教えに由来し神への忠誠心を示すために、毎年、牛、ヤギやラクダなどを犠牲にする儀式が各家庭で行われてるそうです。

友人の家に着くと、5匹のヤギがいました。ヤギの場合は、収入のある人が1人1匹買うそうです。ヤギはEIDの前日に家に到着し、首輪などで装飾されていました。餌をあげ、翌日まで可愛がって手入れされています。愛情を持って手入れした家畜を犠牲にすることが良しとされているからということです。私はというと、ヤギの鳴き声や朝方に聞こえるアザーンの音で、数時間に一度目が覚めてしまいました。。

28日当日朝、家族中の男性陣は7時半頃からモスクにお祈りに行きます。私が朝起きると、「イード・ムバーラク!」と家族のみんなが挨拶をしてくれ、EIDの朝食べるとされている食べ物(名前は忘れてしまいましたが、小麦粉・卵・砂糖などで出来ているスイーツ)を出してくれました。



その横で、ヤギの呻き声が・・・。犠牲にされたヤギの3分の1は貧しい人たちに、3分の1は親戚や友人に、残りは自分の家用にと分けられるそうです。ショックを隠しきれない私に、友人のお父さんから「マキが食べているヤギやチキンもこのプロセスを経ているんだよ」と言われました。確かにその通りだなぁ。

友人の家は複数世帯が一緒に住んでいるのですが、お嫁に来ている女性たちは夕方には彼女達の実家に帰省しました。また、友人のお母さんからはお年玉のようなお小遣いを頂きました。EIDには、大人が子どもにお小遣いをあげるそうです。なんだか、日本でいうお正月ととても似ています。

朝ご飯。日本ではあまり朝ご飯を
食べていませんでしたが、この日はカレーとナン。   
Sharbatというドリンク。ナッツなどのエキスから作られ、
水で薄めて朝ご飯と一緒に頂きました。
Sharbatを水で薄めたドリンク

2012年10月25日木曜日

駐在生活のはじまり

イスラマバードに到着して1ヶ月ちょっと。生活環境のセットアップがやっと整って来たので、パキスタンでの生活を通して感じたことや考えたことを、記録に残したり、日本や海外にいる大切な家族や仲間たちとシェアしたり、少しでも多くの人にパキスタンのことを知ってもらえたらと思い、ブログを始めました。

1年ぶりのイスラマは、変わらずキレイに整備された道路と、碁盤の目のような街並みと、たくさんの緑が目に入ってきました。イスラマで生活していると、自分が途上国にいることを忘れてしまいそう。。車の中から外を見ながら、ついにパキスタンに来たんだなーと実感。